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ヒノキ(檜)やヒバで家を建てると、シロアリ対策になり、将来白アリ駆除を行う必要がないという話を聞かれたかもしれません。もし、その話が真実であれば、これほど頼もしい事はありません。

防蟻効果があるという噂が本当なら、少し材料費が高くなっても、新築マイホーム建設の際に、ヒノキやヒバを使おうという方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では防蟻木材とも呼ばれる「ヒノキ・ヒバ」と「シロアリ」についての本当の情報をご紹介します。

 

ヒノキやヒバの家はシロアリに強いの?

ヒノキの木材を使用は、シロアリ対策として有効であるという話を聞いたことがあるかもしれません。それでは、最初に結論からお伝えします。

ヒノキ・ヒバとシロアリの関係の結論

一定の効果はあるが、絶対にシロアリの被害に遭わないという意味ではない。
特にヒノキの芯材(木材の中心部)にだけ一定の効果がある

 

ヒノキやヒバなどの木材を使用しておけば、シロアリ被害を防止する事が出来ると思われていた方にとっては意外な結果かもしれません。もっと分かりやすく言うなら、シロアリがヒノキやヒバの木材を食べることはあるという意味になります。

 

マイホームを建設する時に、この事実を知っていないと、ヒノキやヒバを使おうという決定になってしまうので、注意してください。ではヒノキやヒバには、まったく効果がないという意味なのでしょうか?

 

先ほど、一定の効果はあるとご説明しました。

では、その根拠をご紹介します。

 

ヒノキやヒバの木材はシロアリに対して一定の効果はある

 

科学的な部分から解説していくと、ヒノキに含まれている「αカジノール」という化学物質には、シロアリに対して一定の効果があることが実験によって確認されています。そのため防蟻剤の中には、ヒノキの木材から抽出した「αカジノール」を使用しているものもあります。

 

では国土交通省のデータを見てみましょう。

国交省が発表している樹種ごとのシロアリ耐性

 

 

国交省では樹種ごとの「耐蟻性」(特に指定しない場合は心材)を3段階に分けています。 

耐蟻性 大

ヒバ、コウヤマキ、イヌマキ、スダジイ、ビャクシン、イスノキ、タブノキ、カヤ、ベニヒ、ローズウッドシャシャンポ、ヨン、タイワンスギペリコプシス、クルイン、アゾベ、マンソニア、ブビンガ、ドウシエ、イロコ、コチベ、マコレモバンギ、タウン、ターミナリアモンキーポット、タウキャン、チンベン、ニオベ、コクロジュア、シタシ、メラワン、チーク、マラス、インツィア、ランラン、アンジェリュク

 

耐蟻性 中

 

ヒノキ、スギ、ツガ、カラマツ、ベイヒ、クスノキ、イタヤカエデ、カツラ、ケヤキ、イチイガシ、アカガシ、フラミレ、ナトー、カメレレ、クイラ、レッドメランチ、イェローメランチ、ラミンシポ、ブラックウォールナット、ブナ、トチノキ、シルバービーチ、ブラックビーン

 

耐蟻性 小

 

熱帯産材を除くすべての辺材、モミ、シラベ、アカエゾ、エゾマツ、トドマツ、アカマツ、クロマツ、クリ、セン、アサダ、イヌツゲ、ミズキ、カキ、ラジアタマツ、ベイツガ、ベイマツ、シベリアカラマツ、オーク、アフリカンマホガニー、バルサ、ロボア、ホワイトラワン、アスベン、リンバ、ミズナラ、トネリコ、ハルニレ、ドロノキ、ヤマナラシ、ヤマハンノキ、ベイスギ、メンクラン、タリエチア、ラミン、オベチェ、サペリ、チアマ、アジナ、エリマ、マンガシノロ、ダオ、セブラ、ヒッコリー

この木材の中で、ヒノキは耐蟻性が「中」になっています。分かりやすい樹種でいえば、ヒノキと同等の耐蟻性である木材は次のようなものです。

ヒノキと耐蟻性が同レベル
スギ、カラマツ、クスノキ、ケヤキ、ブナ、アカガシ、トチノキ

意外だったのが、スギやケヤキ、クスノキと「白蟻に強いと思われていたヒノキ」が同レベルという事です。ヒノキもシロアリに対して非常に強いとは言えないことがよく分かります。

さらに注意しなければならないのは、注記がないものは「心材(芯材)」を表すと書かれている事です。

 

心材とは、木の幹の内部の年輪が年月が経つことで堅くなった、「赤または褐色」の中心部分という意味です。国交省の説明によれば「ヒノキ」の芯材(心材)部分のみが耐蟻性「中」という評価になっています。

出典:コトバンク

 

では、木材の周辺部分、専門的には辺材と呼ばれる部分は、耐蟻性はどうなっているのでしょうか?耐蟻性「小」の部分に注目してみると、熱帯産材を除くすべての辺材と記載されています。つまり「ヒノキ」の辺材も、耐蟻性「小」に含まれる事になるわけです。

 

他の樹種で耐蟻性「小」に含まれているのは、「アカマツ」などの普通の木材なので、ヒノキの辺材は決してシロアリに強いわけではない事が分かります。これが国交省の発表しているデータになります。


樹種の耐蟻性の中で、1番初めに記載されているのが、「ヒバ」の木材
です。つまり国土交通省のデータによれば、ヒノキよりもヒバの方が「耐蟻性」の面で優れているという意味になります。もちろん心材部分が優れているという事になるため、辺材は「ヒバ」も「ヒノキ」も耐蟻性は「小」に含まれてしまいます。

 

ヒノキやヒバはシロアリ対策として十分なのか?

 

上記のデータをご覧いただければ、ヒノキやヒバを使用するだけでは、シロアリ対策として不十分である事が分かるでしょう。確かに耐蟻性を備えているのは確かですが、心材(木材の中心部分)のみが、シロアリ耐性が備わっており、辺材になると一般的な木材と大差はありません。

結論の確認
仮にヒノキやヒバを利用してマイホームを建設したからといって、シロアリ対策が必要ないという事にはならない

 

例えば、次のような実験を行われたことがあります。

シロアリの巣の前に、複数の樹種の木材を置いて、シロアリがどのように木材を食べるのか観察しました。結果、巣の前に置かれていた「ヒノキ」もシロアリに侵食されてしまいました。他の木材の方が、侵食は多かったとはいえ、ヒノキがシロアリの被害を逃れられたわけではなかったのです。

 

ですから新築で住宅を建設する時、シロアリ対策として「ヒノキ」や「ヒバ」を選択するというよりも、樹種(建築資材)で対策をするのではなく、シロアリ防止のための薬剤などによって防除をする方が賢明です。

 

ヒノキやヒバはシロアリに強いのか?のまとめ

 

ヒノキやヒバの、耐蟻性についてまとめてきました。

建築業界では、シロアリ対策としてヒノキやヒバを使うように進めてくる営業も存在しています。

確かに一定の効果を期待することはできるものの、使用する木材の種類だけのシロアリ対策は十分ではありません。

 

さらにヒノキの耐蟻性は、効果「中」程度であり、木材の中心の赤い部分「心材(芯材)」でないなら、耐蟻性「小」の木材と大差ありません。

ヒノキやヒバだから大丈夫という見方は間違っています。

たとえ若干シロアリに強い「ヒノキやヒバ」であっても、プロのシロアリ防除施工士の行う予防や駆除が必要ということです。信頼できる白アリ駆除業者に依頼するようにしましょう。

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