シロアリ駆除が必要なのは分かるけど、「シロアリ駆除業者」と聞くと「詐欺」に遭ってしまうのではと心配になるかもしれません。
詐欺ほど深刻ではなくても、料金面で騙されたくないと考えておられる方も多いでしょう。騙されないためには、シロアリ駆除の現状を理解する事と詐欺業者の常套手段について覚えておく事が重要です!
シロアリ駆除の詐欺業者に騙された実例
非常に残念なことですが、シロアリ業者の中には「他人のマイホーム」には一切関心を持っておらず、最初から騙すことを目的に近づいてくる会社もあります。
2018年静岡県でシロアリ駆除業者による詐欺事件があり被害総額は1億円にもなります。
中日新聞には次のような報道が載せられています。
静岡県で発生したシロアリ詐欺業者による事件
契約書など必要書類を示さず、シロアリ駆除などを持ち掛け手抜きの床下除湿工事をしたとして、静岡県警生活保安課や焼津署などは六日までに、特定商取引法違反(不実告知、書面不交付)の疑いで、床下工事業の容疑者十四人を逮捕した。被害者は静岡、長野、山梨など計五県の四百五十人に達し、昨年六月以降、少なくとも総額一億円を不正に売り上げたとみている。
逮捕容疑では、十四人は三~八月に共謀し、静岡市駿河区の無職男性(82)ら十二人の高齢者宅で、「床下の湿気がひどく工事が必要」などと言い、契約書など必要書類を交付せず、うそを言って契約したとされる。 県警は十四人の認否は異なるとして、一人一人の認否を明らかにしていない。
十四人は実体のない会社を名乗り、高齢者を勧誘していた。過去に床下工事をした家庭の名簿を業者から購入し、複数のグループに分かれて県内外で活動していた。浦谷容疑者が除湿剤など資材の調達役で、柳容疑者が名簿の調達役だったとされる。
十二人の被害者は六十~九十代で、うち十人が静岡県内在住。それぞれ五万~二百八万円を工事代金として支払った。押収したパソコンから数千~数万件規模の名簿が見つかり、容疑者らが名簿をもとに高齢者宅を訪問し、過去に工事をした業者を装っていたことが分かっている。
*容疑者の実名が載せられていたので、名前の部分は当サイトでは削除しています。
被害額:各5万~280万円(総額1億円以上)
犯人:14人
手口:契約していない床下除湿工事を勝手に行う
この詐欺事件は非常に規模が大きく、被害総額も1億円を超えています。特に標的になったのが、過去に床下工事を行ったことのある高齢者住宅です。こうした名簿が出回っており、詐欺業者が標的を決めてから騙しに来るというケースも現実のものです。
この詐欺事件では、床下除湿工事を行うことがシロアリ駆除の必須項目であるかのように説明した事、契約がないまま勝手に作業を進めている事が問題です。覚えておいて欲しいことは「床下除湿工事」というキーワードです。では、次の実例を見てみましょう。
床下に多量の換気扇が設置
浴室のユニットバスを変更する時、浴室の床下に大量のシロアリが発生していることを発見したAさんは、すぐに信頼できる建設業者に連絡したようです。
建設業者が現場に向かうと、確かに大量のシロアリが発生していました。シロアリ駆除の記録を確認すると、7年前に一度シロアリ業者が駆除をしていることが分かりました。基本的なシロアリ再発の保証期間は5年になっていますが、きちんと薬剤散布が行われているなら、10年ほど再発がない場合もあるため、建設業者はシロアリ駆除業者の仕事に疑問を感じます。
そのため浴室の床下だけでなく、建物の床下全体を確認する事にしました。結果、発見されたのは、無数に設置された床下換気扇でした。その数はなんと10数個にもなり、必要数を遥かに超えている状態です。また施行された電気工事もずさんな上に、換気扇はきちんと設置されていない状態でした。つまり「必要のない換気扇設置」「ずさんな工事」という詐欺に遭っていたという事になります。先ほどの詐欺ケースと同じです。
詐欺行為を働く悪質なシロアリ業者が、駆除作業を丁寧に行うとは考えられず、実際のシロアリ駆除作業もきちんと行われていなかったことは明白です。この時のシロアリ駆除費用は、100万円以上でした。
シロアリ駆除には床下換気扇が必要
ある悪徳リフォーム会社は、シロアリが床下に発生する理由は、「床下に湿気が溜まっているから」と説明します。
たしかにシロアリ被害が床下に起きるのは、床下が他の場所のよりも湿気が溜まっていて、シロアリが好む環境になっているからです。では、シロアリ駆除には必ず床下換気扇が必要になるのでしょうか?
床下換気扇を販売している良心的な営業の言葉を借りるなら、床下換気扇はシロアリ駆除とは関係なく、基本的には床下環境の改善のためであるという事です。それにも関わらずリフォーム業者の中には、「シロアリ駆除=床下換気扇」をであるかのように説明しているところもあるようです。
確かに、床下の湿気が少なくなればシロアリが好む環境ではなくなるのも事実です。しかし駆除のための「絶対条件ではなく」、換気扇を設置すればシロアリを駆除できるわけではありません。シロアリ駆除には薬剤を使用した方法「バリア工法」と「ベイト工法」が主流であり、意味もなく床下換気扇を進めてくる業者には注意しましょう。
悪質なシロアリ駆除業者の常套手段と対策方法
先ほど紹介したのは、「床下換気扇」を設置しようとする詐欺でした。もちろん床下環境を改善するために、「換気扇の設置」は有効な方法ですが、「床下換気扇の設置」→「シロアリ駆除」とはなりません。
その他にも、悪質なシロアリ駆除業者が使用する詐欺の常套手段を見ていきましょう。
詐欺被害を避けるためには、悪徳業者の常套手段を理解する事が大切です。
無料キャンペーン期間
悪徳シロアリ駆除業者の中には、直接自宅を訪問して「床下調査」を行わせて欲しいと話してくる業者が多くいます。とにかく床下に入ってしまえば、契約まで持っていけると考えているわけです。
もちろん、床下調査をするという業者すべてが怪しいというわけではなく、「地域限定のキャンペーン」を強調して、今だけシロアリ調査が無料であるという事を強調してくる業者には注意が必要です。
悪徳業者の目標は「なんとかして床下調査」を行ない、あとは「不安」「恐怖」といった気持ちを刺激しながら契約を迫ってきます。突然マイホームを訪問してきた業者がいれば、「床下調査」は必要ないとはっきり意思表示しましょう。
シロアリの床下調査をお願いするなら「日本しろあり対策協会」に所属しているシロアリ業者を選択する事が重要なので、自宅を訪問した業者ではなく、「自分から」信頼できる業者に依頼するようにしましょう。
著名な「ハウスメーカーの名前」「住宅検査協会」を勝手に使用
シロアリ業者の中には、有名なハウスメーカーの名前を勝手に使用して、「〇〇から派遣されてきました」と名乗る会社もあります。詐欺業者によっては自宅に貼ってあるハウスメーカーのシールなどから情報を得て、実際にマイホーム建設に使用したハウスメーカーの名前を使うところもあります。
このような詐欺事件が横行しているため、大手ハウスメーカーも「メーカーのシール」などを建物に貼ることを避けるようになってきています。
他には、「住宅検査協会から派遣されてきました」と名乗るような詐欺業者がいることも報告されています。
このような詐欺業者に対抗する方法は、非常に簡単です。ハウスメーカーの名前を使ったなら、訪問してきた「シロアリ駆除業者の名前」をハウスメーカーに伝えてください。すぐにハウスメーカーとの関係が分かります。
「住宅検査協会から派遣されてきた」と言われたら、該当する「住宅検査協会」に電話をして業者の名前が登録されているか確認します。
自分で電話をして確認する事で、「詐欺業者」に騙されるのを避けられます。ここでポイントになるのは、「自分で電話番号を調べる」事です。相手に提示された電話番号に電話してしまうと、詐欺グループの使用している番号である可能性があります。
他の用事からマイホームに上がり込む
さらに詐欺業者が使う常套手段の中には、虫よけネットなどを格安で販売し、相手の自宅に入り込み、ついでに床下のシロアリ調査をするという方法があります。最初の商品を格安で販売することで、相手の心理に「恩義を植え付けて、次の要求を断りづらい心理」を作り上げます。そのため、多くの方は「調査だけなら無料なので・・・」と承諾してしまうわけです。ここからは、詐欺業者がもっとも得意な「巧みな話術」で契約まで持っていきます。
詐欺的な行為をするシロアリ業者の常套手段は上記のようなものです。床下シロアリ調査を行う業者は「自分で決める」とはっきり伝えるようにしましょう。「断わるのは悪いと感じる必要は一切ない」ので、はっきりと断りましょう!
詐欺的なシロアリ業者に共通する手口
詳細な手口は異なるものの、詐欺的なシロアリ業者には共通する部分も多くあります。これはシロアリ業者だけでなく、詐欺を働く業者や会社にも共通する点なので、覚えておくと便利です。
詐欺を働く業者の特徴
- 契約するように強要する(思考できないようにする)
- 大幅な値引きをする(元値が法外な金額なので大幅値下げでも高額)
- 床下の状況を現状よりも悪く言って不安を感じさせる
- 「無料だから」と床下になんとかして入ろうとする
さらに悪質な業者の特徴
- シロアリを所持して、床下に入った隙に放ち写真を取る
- 撮影した写真を加工してシロアリがいるように見せかける
ここまでする業者がいるのかと思われるかもしれませんが、実際にこうした詐欺業者に遭った方がいるのも事実です。
2 意見をはっきり言う(拒絶)
3 しつこいなら警察に連絡する
この3点を徹底してください。
【シロアリ駆除】詐欺業者に騙されないために必要なこと
詐欺業者の目標は、とにかく不安をあおり「床下に入り込む事」です。
ここまでくれば、あとは詐欺業者の話術によって、多くの方は契約を行ってしまいます。
大事なことは、正しい知識を持つことです。マイホームを守るのは自分であるという自覚を持ち、他人任せにしないようにしましょう。
- 「シロアリ駆除」と「床下換気扇」は別問題であること。
- シロアリ駆除業社に選ばれるのではなく、自分で選ぶ!
- 日本しろあり対策協会に加入している業者に依頼する
この3点を覚えておけば、悪質なシロアリ業者に騙されてしまい、高額な支払いをしてしまうのを避けることができます。悪質な業者の施行するシロアリ駆除は、ほとんど意味がないため、マイホームを守ることはできません。
信頼できる業者にシロアリ駆除を依頼することが肝心になります。
当サイト「シロアリナビ」では、「シロアリ110番」をお勧めしていますが、マイホームを訪問するシロアリ駆除業者は「日本しろあり対策協会の会員」です。
やはり安心して任せられる業者が1番です。それでも「シロアリナビ」では、「シロアリ110番」だけではなく、最低でももう1軒地元のシロアリ駆除業者に調査や見積を依頼されることをおすすめしています!シロアリ駆除は「複数の業者」に依頼して比較検討する事が重要です。